伝奏記 社会科授業づくり奮闘記

某中学高校教師の「こんな授業をしてみました!」という社会科授業づくりブログです(/・ω・)/教師修業は果てしなく。日々精進…!

温暖な地域に生きる人々

「温暖な地域に生きる人々」

 

イタリアを取り上げ、温暖な自然環境の中で、

人々はどんな生活をしているのかを学習します。

 

【写真から考察】 

いくつか写真を見せて考えます。

生徒からは「お腹すいた~!」の声(笑)

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発問:「このような食事を何という?」

 

ジャンクフードと答える子もいます。確かに。

 

ファストフード、ですね。

中にはファーストフードという子も。

「ファスト?ファースト?どっち?」と聞くと、

う~ん、と考えはじめるのでおもしろい。

常識が揺さぶられているんですね。

 

発問:「ファスト(fast)ってどういう意味?」

 

速い、ですね。

 

発問:「ファストフードは何が速いの?」

 

調理時間や、頼んでから届く時間ですよね。

中には「食べる時間!」と答える子もいて、教室は笑いに包まれました。

 

発問:「じゃあ、ファストフードの逆の料理は?」

 

スローフード、です。

 

発問:「何がスローなの?

 

食材を育てたり、調理時間がゆっくりということですね。

スローフードは、食材を含め、じっくり調理された料理のことです。

これが今、注目されているんだよって話です。

 

イタリアは農業がさかん。

でも、専業農家が減って、兼業農家が増えています。

こうした状況を受け、手軽に食べられるファストフードよりも、

地元の食材に注目してもらいたいと、スローフード運動が起こりました。

また、アグリツーリズム(農業体験)も盛んです。

 

写真を見せると理解が高まります。

 

【ペア学習:写真から考察】

次に、イタリアではどんな農作物が育てられているかを学びます。

イタリア料理の写真をいくつか表示します。

 

発問:「これらの料理をつくるには、どんな食材が必要?」

 

料理の原材料から、イタリアで育てられている作物を考えます。

ピザやパスタ、ワインなどの写真から、

 

小麦・ぶどう・オリーブ・乳製品・トマト・レモン・オレンジ

 

などが挙がります。

イタリアでは小麦の栽培を中心に、

乾燥した夏に入ると、小麦の収穫が行われ、秋にはぶどうがつくられます。

 

どんなものが育てられているのかをこちらが一方的に教えるより、

料理から考察した方が頭に残るのかな、と思っています。

 

合わせて、イタリアは温帯気候だということも学びます。

また、地中海性気候で、夏に乾燥するから柑橘類が育てられることを押さえておけば、

後々の単元で生かせる知識になります。

 

なんでイタリア料理はパスタやピザが有名なのかを考えていく中で、

「農業はその地域の気候に合ったものを育てる」

ということを、子どもたちは学びました。

 

最後に、シンキングルーツのXチャートで、

初夏秋冬の農業の様子、それに関連するイベント(収穫祭など)をまとめて

この単元は終わります。