日本の領域をめぐる問題を考える
「日本の領域をめぐる問題を考える」
領土問題について考えます。
今回取り上げるのは、北方領土。
全部で2時間の構成です。
最初の1時間で、
・北方領土
・竹島
・尖閣諸島
について学びます。
それぞれの場所は、iPadアプリ・ロイロノートの地図機能をつかって押えます。
動画を見てイメージをつくります。
グループ作業①:北方領土パズル
3~4人のグループになって、パズルを完成させます。
北方領土の択捉・国後・歯舞・色丹がどこにあるのかを考えます。
何も見ないで挑戦するので、「早く知りたい」という欲求を刺激。
ガンバレ。
発問:「2月7日は何の日?」
北方領土の日です。
発問:「北方領土は日本とロシアが領有権をめぐって話し合いを続けている。」
では、双方の主張の根拠は何なのか?
グループ作業②:領土パズル
配布された資料「条約」を読んで、その条約によると、
どこが日本領で、どこがロシア領なのかを考えます。
配布される資料は4種類。
・日露通好条約(1855年)
・樺太・千島交換条約(1875年)
・ポーツマス条約(1905年)
・サンフランシスコ平和条約(1951年)
1つパズルを完成させるごとに、写真をとって記録します。
答え
子どもたちは史料をもとに、パズルを完成させていました。
日露通好条約の「両国人雑居」や、
サンフランシスコ平和条約における未確定地が迷ったようです。
「ソ連は調印してないって書いてるよ」
などと、話し合っていました。
もう1つ資料を配布。
発問:「では、4枚の写真の「北方領土」に注目。どこの領土になっている?」
見比べてみると、どの条約でも、北方領土は「日本」の領土になっています。
1度もロシアの領土にはなっていません。
教科書に「日本”固有”の領土」と力強く書いてあるのは、こういう根拠があるのです。
北方領土は、条約上は日本の領土なのです。
それから、北海道のHPの北方領土のページを見せました。
そこには、
「…(北方領土を)ロシアに対して返還を求めていますが、ロシアがそれを拒否してきました。…ロシアは、「ロシアが最初に千島を発見し開拓した」、「これらの島々はヤルタ協定でロシアに引き渡されることになっている」、「日本がサンフランシスコ平和条約で放棄した千島列島には、国後島と択捉島も当然含まれている」などといって、一方的に自分の領土としてきました……」
と書かれています。
最後にまとめとして、
・日本の言い分は何%くらい正しいか?
・その理由
を書いて提出してもらいました。
多くの生徒は、80~100%日本の言い分が正しいと書いていました。
また後日、
「千島列島・樺太の南部は、ヤルタ協定でソ連に引き渡すことになっていたけど、これは米・英・ソの秘密協定で、日本は参加していない。また、米は協定で、領土移転の法的効果は全くないと公式に表明している。」
と、授業では触れ慣れなかったヤルタ協定について調べてきた子もいました。
これには驚き。
また、何人かは、
「日本の主張の根拠はわかった。でもロシアの人たちの言い分もちゃんと聞いてみたい」
と書いていました。
なるほどなぁ。
今回は、北方領土はどこの領土なのか?を、史料をもとに考えました。
少しでも学びを深められたら幸いです。