カカオ農園で働く少年にインタビュー
「カカオ農園で働く少年にインタビュー」
地理のアフリカ州の産業の最後にやります。
アフリカは第一次産業を中心としていて、レアメタルやコーヒー、カカオといった
商品作物の輸出に頼っています(モノカルチャー経済)。
本時はこれらを学習した後に行います。
【グループワーク】
「カカオ農園で働く少年にインタビュー」
・3~4人グループになる。
・カカオ農園で働く少年役を決める。
・インタビュー役を決める。
インタビューをする生徒には、質問カードが入った封筒を渡します。
少年役には、質問とその答え一覧を渡します。
この質問にはこう答えてねってこと。
こんな感じです。
質問 |
答え |
名前は? |
アルフォンスだよ。 |
家族は何人? |
3人だよ。 お母さんと弟と一緒にカカオ園に働きに来たんだけど、お母さんが病気になって田舎(いなか)に帰っちゃったから、農園のオーナーの家で暮らしてる |
いま何歳? |
11歳。 |
いま一番したいことは? |
学校に行きたい。勉強したい。 |
学校には行ってる? |
行ってない。毎日朝からカカオ園で働いてるよ。 |
仕事はどんなことをしているの? |
カカオの木に登って実を取ったり、水を運んだりするよ。カカオの木は高さ15m以上になるものもあって、登るのはとても恐いんだ。 |
何時に起きるの? |
朝の5時に起きるよ。 |
普段、何して遊ぶの? |
たまにサッカーをするよ。でもボールがないから、靴下に砂を入れて、ボールの代わりにしているよ。 |
質問 |
答え |
君の宝物はなに? |
ボールペンだよ。1本しかないけど… 前にちょっとだけ学校に行っていた時に使っていたんだ。 |
お給料はいくら? |
日本円で33円くらい。 年収は1万5000円くらいかな |
兄弟はいる? |
6歳の弟がいるよ。 コフィーっていうんだ。 |
このカカオが何になるか知ってる? |
知らない。 ミルクになるのかなぁ。 |
チョコレートは好き? |
チョコレートって何? |
生活は苦しい? |
苦しい…。お金をかせいでも、食費と お母さんへの仕送りで全部なくなっちゃう。服を買うお金もないんだ。 |
何をしている時が一番楽しい? |
弟に勉強を教えている時かな。 |
インタビューをしている方も、少年役も、少年の生活環境に驚いていました。
一通りインタビューが終わったら、映像を見ます。
【映像視聴】カカオ農園で働き続ける兄弟(11分)
少し長いですが、みんなしっかりと観ています。
カカオ農園で働く兄弟の話ですが、彼らは自分たちが収穫するカカオが
何になるかを知らないのです。
つまり、チョコレートを見たこともないのです。
このように、労働の基準年齢に達していない児童が働かされることを、
児童労働と言います。
「どんな仕事が児童労働になるのか?」
① 教育を受けることを妨げる労働
② 健康的な発達を妨げる労働
③ 有害で、危険な労働
④ 不当な扱いを受ける労働(仕事内容と、お給料が合っていない)
これら4つのうち、1つでも当てはまれば児童労働です。
「児童労働をする児童は、世界中で何人いるだろう?」
約1億5200万人です(2013年)
・男子8800万人 ・女子6400慢人
我々が安いチョコレートを欲しがるほど、
児童労働をする児童のお給料も安くなっていくのです。
生徒たちは「ショック…」と、やや衝撃を受けた感じでした。
2種類のチョコレートの写真を見せて、
発問:「2種類のチョコレートがある。どちらも100円だ。どっちを買う?」
当然、意見は分かれます。
発問:「では、片方のチョコレートにこんなことが書いてあったら?」
〈1チョコ for 1スマイル〉-------------------
チョコレートの原料「カカオ」がつくられる赤道付近の国々。
その中には、経済的な自立が難しく、十分な教育環境が整っていない
地域もあります。
「1チョコ for 1スマイル」は、ガーナなどのカカオの国の子どもたちが安心して
教育を受けられるように、商品の売り上げの一部を使って支援する活動です。
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「書いてある方を買う!」という意見が圧倒的に増えました。
これは森永製菓が行っている、「1チョコ for 1スマイル」という支援活動です。
(森永製菓HPより)
CMを見せるのもアリ。
普段、何気なく食べているチョコレート。
その”向こう側”には、我々の想像以上に過酷な生活を送っている
児童がいるのです。
これらをどうするのか。アフリカが抱えている課題の1つです。
ちょっとしんみりする授業でした。