基本的人権の保障(平等権)
「基本的人権の保障(平等権)」
日本国憲法は、
5つの基本的人権を保障している。
今回は平等権についての学習です。
・平等権
人は誰しも、生まれながらにして人権を持っています。
そして、人権の根底にあるのは、”平等”という考え方です。
憲法第14条の「法の下の平等」では、人権・信条・性別・社会的身分
などによる差別を否定しています。
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■差別問題の存在
① 男女の不平等
② 在日韓国・朝鮮人への差別問題
③ 被差別部落への差別
④ 民族の差別
⑤ 障がい者への差別
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1つずつ、例を示しながら解説します。
①の男女の不平等について。
【ペア学習】
下の資料を配布し、ペアで考えさせます。
Aは、働いているのが男性だったり、
子育てをしているのが女性だけだったりと、
偏った視点が見られます。
では次。
発問:「男性、女性、自分の結婚相手をそれぞれ何と呼ぶ?(呼称)」
奥さん、女房、家内、婦人、嫁…
主人、夫、旦那…
生徒は口々に答えてくれます。
発問:「では、平等権から考えて、問題と考えられる呼称は?」
奥さん、家内、主人、旦那、などですね。
夫婦は平等なのに、「旦那」と呼んだりするのは、平等だろうか?
発問:「”育児放棄の母親”という言葉が流行ったことがある。
この言葉のどこが問題?」
”父親”の視点が抜けています。
発問:「男女平等の観点で、ここ10年ほどで学校であった変化は?」
学校のパンフレットを見せます。
制服紹介のページでは、女子もズボンをはいています。
また、男女混合名簿もそうです。
最近使われていない言葉も紹介。
看護婦 → 看護師
スチュワーデス → 客室乗務員
保母さん → 保育士
②の在日韓国・朝鮮人への差別問題について。
写真を提示。
発問:「この人は誰?」
王貞治さん。世界の王さんですね。
知らない生徒もいて、びっくりしました。
発問:「王さんは高校時代、甲子園には出場したが、国体には出られなかった。なぜ?」
国籍が中華民国(台湾)だったからです。
写真を提示
発問:「人種差別になるとして、”ある色”の呼び名が使われなくなった。
さて、何色?」
肌色ですね。
いまは「ペールオレンジ」とよぶそうです。
⑤の障がい者への差別について。
写真を提示。
映画「もののけ姫」に登場する人たち。
発問:「なぜこの人たちは包帯を巻いているのか?」
この人たちはハンセン病(らい病)を患っている人たちだと
言われています。
昔、ハンセン病は前世での不徳からくるものだと言われており、
隔離されるなど、差別の対象になっていました。
映画に出てくるこの人たちも、差別されてきましたが、
「烏帽子様」が保護し、「たたらば」で仕事を与えられました。
彼らはその恩に報いるために一生懸命働いているのです。
そういう裏設定?があるそうです。
生徒たちは新しい気づきがあったようでした。
参考文献:100万人が受けたい『中学公民』ウソ・ホント?授業 河原和之 著